夢をみた。その夢のことを思い出してしまって涙が止まらなかった。

とても静かな声で喋るのも、夢に出てきた女の子のことを忘れられないとか、いつかの夜のことをことを大切そうに話すところも、ぜんぶぜんぶだいすきで大切だった。

この世界には私たち2人しかいないんだって思わされるほど静かな時間を何度か過ごして、それに何度か奇跡のようなことが起きて、わたしたちの時間はそれだけだったけど、長い夢のような柔らかさだった。

きっともう一生会えない。もう一生会えないから、もうずっと、きっと死ぬまでたいせつなままで、忘れられないんだと思う。

わたしは変わったなと思った。こうやってどんどんいろんなことが変わっていく。でも、あの日のまま変わらない距離感でわたしたちの関係はずっと変わらないのかな、変わらないといいな。複雑なことは全部忘れて、今まですごしてきた時間の話をしてほしい。

記憶からわたしのことが消えてしまっても、あの日あなたが読んでいた本の題名だけは忘れないでね。